#1月明かりの道
#1月明かりの道

 「月明かりの道・・・」
 かめくんが、ボソッとつぶやいたのをきっかけに
 二人は顔を見合わせ、
 「わぁ」と大きな声を上げた。
 女性はテーブルに身を乗りだし、かめくんの顔に向
 かって指をさしながら、目を大きく見開いていたか
 と思えば、もう次にはそのままテーブルにうつぶせ
 るような形で座り込み、大笑いをするのであった。
 女性があまりに大笑いするので、
 かめくんも「びっくりした」などといいながら、
 にやにや笑った。
 ひとしきり笑った後女性は身を起こし、
 指で涙をぬぐいながら、
 「でも嫌だわ。じゃあ、あれ、盗作だったのかし 
  ら?」と言った。
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