#1月明かりの道
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#1月明かりの道
かめくんは、もちろん女性が泣いているのでは無
く 、これは自分の言動が好意的にとらえられている
という証拠なのだ(照れ隠しのような、とにかく
それは笑顔には違いなかった)と、
どこかで分かってはいたのだが、その時なぜかこの
女性が、ある物事について誰かの答えを求めている
かのように思えてならないのだった。
先ほどからこの女性にたいして、気の利いたことを
一つも言えないと感じていたかめくんは、
女性にとって自分がただの通りすがりの人間でしか
ないということを自覚されられて、少し悔しい気持
ちになった。
それほど彼女に対して不思議な親近感が沸いていた
のである。
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