#1月明かりの道
#1月明かりの道

 「才気あふれる若い脚本家が演出家と手を組んで
  小さな劇団を作った。私はその劇団員だったの。
  それで例のそのお話は、脚本家の自信作で、
  演出家もそのお芝居に劇団の未来を賭けてるよう
  だったわ、これが当たれば劇団は売れるってね。
  赤や青や黄色といった、色をテーマにした短いお
  話をつなげてゆくオムニバス形式のお話だったん
  だけど、今思えば色をテーマにって割とシンプル
  でありがちなテーマかもしれないけど、その作家
  が書くお話はとてもおもしろくて演じていてとて
  も楽しかったわ。そして色ともうひとつのテーマ
  として、〔人間の依存心〕というのが全編にキー
  ワードとして組み込まれていたの。
  例えば赤なら、絵を描くときにどうしても赤色ば
  かりを使ってしまって、それに 対して苦悩して
  いる画家の話とか・・・」
  
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